尾谷工務店 | 常陸大宮の休憩所 - 尾谷工務店
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常陸大宮の休憩所 / その他の物件

設計趣旨
 その小さな休憩所は、常陸大宮を流れる久慈川を見下ろすことが出来る高台の中腹にひっそりと建っている。 施主からは「質素な雨露がしのげる場」と「親しい人との食事の場」を要望された。

 敷地に訪れると、隣家や人工的な工作物はほとんど目に入らない。遠くには久慈川が望め、空を見上げると木々が額縁の様に見立てられ青い空が抜けている。
敷地に立ち、湧き水から流れ出た池で魚がゆったりと過ごすのを眺め、風や葉音そして鳥のさえずりを聞いて静寂な時を過ごしているうちに、この空間を損なうことの無い「質素で小さな場」をつくろうと思った。

 この建物では自分が設計したという自覚は無い。工事の際、急な小道を下りて材料を運搬しなければならない為、無駄な材料は使わず。空間の質を伝えたのみである。 現在の建築は、合理的な機械化により部品の組み立てで建築されているが、自然に対してはそんな小細工は通用しない。時代に逆行しているかもしれないが、自然に対しては素直に、日本独特の風土で育った木を使い、歴史の中で育まれた技を駆使する事が必要だと思う。

ここでの立役者は、豊かな自然は勿論の事、その仕事を託した施主、そして担当した若い大工である。 その若い大工は東北地方から親元を離れ上京し、強い意志を持ち、技術と経験を親方から学びながら切磋琢磨している。 この休憩所ができた事の喜びと同時に、若い大工の成長を嬉しく思う。また辛抱強く育成してきた親方に心より敬意を払いたい。

(設計 海工作舎)
物件概要

項目

詳細

建物名 常陸大宮の休憩所
所在地 茨城県常陸大宮市
主要用途 休憩施設
構造・規模 木造在来工法
敷地面積 1157.02㎡
建築面積 9.93㎡
延床面積 24.49㎡
東屋 9.93㎡
デッキ 14.56㎡
軒高 2945mm
最高高さ 3727mm
図面
1 石垣 2 あずまや 3 デッキ 4 炉 5 ベンチ
1 石垣 2 あずまや 3 デッキ 4 炉 5 ベンチ
1:池 湧き水の池で魚がゆったりと過ごしている。
2:屋根架構 歴史を感じさせる石垣の下から屋根を見上げる。屋根架構は骨太な傘を広げた様な原始的な空間
3:屋根架構 樹木の隙間を縫って建っている。
4:外観 親しい人との食事の場。デッキやベンチには耐久性を考慮して桧材を使用している。
5:外観 桜、梅、栗、杉、モミジなどの木々が空間を豊かにしている。
6:外観 屋根はガルバリウム鋼板の平葺き。質素な屋根を表現する為、役物は使わず全てハゼ組み加工とした。
7:軒先 軒の出は建物を雨露から守る意味で非常に大事な為、材料の無駄が少ない事と風の吹き上げに抵抗できる事を検討した上で1200㎜とした。
8:軒先 軒先高さは手を伸ばせば届く1950㎜。
9:屋根架構 屋根架構の梁、垂木、野地板は杉。軒先が景色を切り取る。
10:屋根架構 無駄なく最小限の材料で組み上げると共に、違和感のある構造金物は露出していない。